Table of Contents
【安倍晋三が初体験】トランプ来日での米国大統領専用車ビーストの乗車
2019年に国賓としてトランプ大統領(当時)が来日。
2019年5月26日の大相撲観戦後に六本木の「炉端焼き」に行く予定が組まれていました。
大統領の車列は30台もあるため、安倍首相とトランプ大統領が別々の車で行くと、到着時間がずれてしまう。
外務省幹部が、大統領専用車ビーストに安倍首相も同乗してもらいたい旨米国側に頼んでいた。
当日の朝になって「シークレットサービスが反対している。海外で大統領専用車ビーストに外国の首脳と一緒に乗った事例がない」と却下されたそうです。
首相の俺が交渉するのかよ!
アメリカ側から大統領専用車に同乗することを拒否されたため、外務省幹部が安倍総理(当時)に「総理からトランプ大統領に直接お願いしてみてください」と言われた。
「え、その調整、俺がするのかよ」と安倍さんは思ったそうです。
昼間、ゴルフ場でトランプ大統領に頼んだら、OKをもらえた。
これにより、安倍晋三氏が海外(日本だが)で初めて米国大統領専用車ビーストに乗車した首脳となりました。
大統領専用車ビーストが発進すると、歩道にいる大勢の人たちが手を振ってくれている。
トランプ大統領がそれを見て
「みんな手を振っているけど、シンゾウ(安倍晋三)に手を振っているのか? それとも私に振っているのか」と聞いてきた。
「車に星条旗がなびいているのだから、あたたに(トランプ氏)振っているのですよ」と答えた。
すると、嬉しそうにトランプ大統領は手を振っていた。
「でも向こうから車内が見えないだろう」と言って、車内のライトをつけたそうです。
すると前に座っていたシークレットサービスが「ダメです。電気を消して」と注意した。
暗殺対策で、米国大統領専用車ビーストは2台走らせている。
どちらに大統領が乗っているのか、分からなくしている。
トランプ大統領は「シンゾウ(安倍晋三)、大丈夫だ。この車は200発の弾丸を同じ場所に撃ち込まれても貫通しない」
同乗していたメラニア・トランプ夫人が「201発目が来たら、どうするの?」と聞いて、みんなで笑ったそうです。
翌日の天皇陛下夫妻との会談
2019年5月27日には天皇・皇后両陛下との会見がありました。
天皇陛下に会う前に、トランプ氏は安倍晋三氏に聞いたそうです。
「シンゾウは私と会う時、いつもスーツのボタンをしているけど、私もした方がいいか?」
安倍さんは「私の前ではしなくていいから、陛下の前ではボタンをしてくれ」
気になるのは、スーツのボタンを留めて、天皇陛下と会見に臨んだか?
会見の冒頭では(ボタンを留めることを)忘れていたみたいだけど、その後、しっかりとボタンを留めていました。
安倍さんの言葉です。
映像を見ても、安倍さんの言葉どおりでした。
トランプ氏の側近や宮内庁職員でなくても、トランプ氏が天皇陛下に失礼がないか「ドキドキ」します。
天皇陛下とトランプ氏が会見
そして
雅子さまとメラニア夫人が横で会話しています。
メラニア夫人は「足を組んで」雅子さまと会話していました。
途中からは足を組むことを止めていましたが・・・
雅子さまが皇室に入ってから、雅子さまと話をされた日本人は多くいたでしょう。
でも、足を組んで雅子さまと話をされた日本人は一人もいなかったはずです。
雅子さまが皇室に入ってから、足を組んで会話された「最初の人物」がメラニア・トランプ夫人だったのではないでしょうか。
ちなみに、欧米人は「足を組んで」会話することは、失礼には当たらないようです。
トランプ大統領はやっぱりトランプさん
2019年5月に国賓として来日する前(4月)にトランプ氏が安倍さんに聞いてきた。
「(天皇即位の行事は)スーパーボールと比べて、どのぐらい大事な行事なのか?」
天皇の即位とフットボールの頂点を決めるスーパーボールを比較して尋ねた。
「スーパーボールは毎年やっているでしょう」
「即位は違います。日本の歴史上126代の陛下ですよ」
と安倍さんが答えると
「英国の皇室と、どちらが長いのか」と再度聞いてきた。
「(日本の皇室が)遥かに長い。日本は万世一系、ワンブラッドだ」
と言ったら
トランプ氏は驚いていたそうです。
下記内容は、本川裕 氏の「社会実情データ図録」より引用
日本の皇室がダントツ1番、ギネスにも載っているようです。
英国の皇室も3番目に長いようです。
米フットボールの「スーパーボール」と天皇の即位と(重要度を)比べること自体、失礼な話だと思いますが、トランプ氏の場合だと、トランプらしいで済まされます。
良いのか?
悪いのか?
2019年のトランプ大統領の来日にあたり、安倍さん本人が、トランプ氏に掛け合い、米国大統領専用車ビーストに世界で初めて乗車することができました。
「シンゾウ、大丈夫だ。この車は200発の弾丸を同じ場所に撃ち込まれても貫通しない」とトランプ氏が言った3年後に、安倍さんは、数発だけで人生を閉じることになりました。
記事内容は書籍「安倍晋三回顧録」から
写真は読売新聞オンラインから