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【進学と就職】津田塾、学習院、関西大学の凋落と対策
大学を選ぶ時は企業への就職率を最優先に選びたい。
名門大学の津田塾大学、学習院大学、関西大学の凋落が著しい。
なぜ、そう言えるのか?
正確に判定できるものはありませんが、東洋経済新報社の「有名企業400社」への就職率が、1つの指標となります。
東洋経済新報社は「有名企業400社」の社名を明らかにしていません。
製造業(メーカー)を中心に選んでいるようです。
5大商社や3メガバンクなどは400社に入っているはずです。
ほとんどの大学は「有名企業400社」の就職率は低下傾向にあります。
そこを押さえて、津田塾、学習院、関西大学の有名400社就職率の低下ぶりをみていきましょう。
ベンチマーク大学を法政大学としました。
法政大学も凋落している大学であることを念頭にして、法政大学と比較していきます。
東洋経済の本当に強い大学2023年版の数字と
その2年前の2021年版の数字で傾向を見ていきます。
2021年版
400社への就職率
法政大学 21.1%
津田塾大学 25.8%
学習院大学 21.0%
関西大学 19.4%
日本大学 9.2%
順番をつけると
津田塾>法政大学=学習院大学>関西大学
さすが津田塾大学です。
2023年版
400社への就職率
法政大学 16.6%
津田塾大学 17.6%
学習院大学 14.5%
関西大学 13.4%
日本大学 6.3%
順番をつけると
津田塾=法政大学>学習院大学>関西大学
法政大学以上に凋落している3大学
有名400社への就職率は、各大学とも低下傾向にあります。
それを考慮しても、津田塾大学、学習院大学、関西大学の凋落が目立ちます。
津田塾大学は法政大学より4.7ポイントも離していたが、1ポイント差に縮まりました。
2年間で法政大学並みの就職率となりました。
学習院大学は法政大学並みでしたが、法政大学と差が広がりました。
関西大学は6ポイント低下しています。
津田塾大学の7.2%低下、学習院大学の6.5%よりはマシです。
関西大学は「関関同立」で同じグループと見なされている大学です。
2023年版
400社への就職率
同志社大学 26.2%
関西学院大 20.0%
立命館大学 17.3%
関西大学 13.4%
関西大学としては他の3校と差を縮めることを目指さなければなりません。
2021年版で、立命館大学とは3.2ポイント離されていた数字(立命館22.6%、関西大学19.4%)が、2023年版では、3.9ポイントに離されました(立命館17.3%、関西大学13.4%)
よく早慶上智と言われますが、同志社大学の400社への就職率は上智大学より少し下のレベルです。
同志社大学は「早慶上同」で「くくる」ことができる大学レベルです。
同志社は「関関同立」でくくられますが、頭2つ抜き出ている大学になります。
いやらしいメガバンク
東洋経済新報社の「有名企業400社」への就職率を1つの「指標」とみなすことができる根拠として、メガバンクが採用している大学名をみるとわかりやすいです。
メガバンクとは
三菱UFJ銀行
三井住友銀行
みずほ銀行
上記の3行(3銀行)を言います。
地方に住んでいると、なじみがないかもしれませんが、大銀行です。
ここからは管理人の偏見で書きます。
(と言っても、管理人が100%思っている内容です)
メガバンクの本音は「東京大学」の学生を採用したい。
でも、最近はあまり入行(入社)してくれない。
旧七帝大+一橋+早慶の学生も多く採用したい。
そしてMARCHや関関同立の大学は、「ランク付け」して採用している。
例えば同志社大学なら何人採用する。
関西大学なら何人採用する。
このように決めている節(ふし)があります。
メガバンクの採用大学の学生数を見てみましょう。
東洋経済の本当に強い大学2023年のデータを使用します。
慶應大学 163人
早稲田 125人
大阪大学 64人
同志社大 62人
東京大学 56人
明治大学 51人
京都大学 49人
関西学院 48人
神戸大学 43人
一橋大学 42人
青山学院 37人
上智大学 36人
中央大学 34人
学習院 25人
名古屋大 23人
立命館大 21人
東工大 19人
関西大 17人
法政大 16人
「有名企業400社」への就職率の高い大学の学生が、多く採用されていることがわかります。(メガバンクのように採用して企業があるため「有名企業400社」への就職率になっているとも言えます)
上智大学が少ないのは、学生数が少ないことと、過去の大学の採用数を基準に決めているからだと思います。
東洋経済が掲載している大学の名前は、上位20校です。
この20校に「日東駒専」や「産近甲龍」の名前はありません。
メガバンクの採用大学名を見れば、あきらかに大学名で採用を決めています。
管理人曰く、大学名で採用を決めているのではなく、各大学の採用人数を決めている。
つまりMARCHなら、明治大学は何人、法政大学は何人と決めて採用している。
メガバンクは、MARCHや関関同立の大学を同じグループとみていません。
明治大学と法政大学を明らかに区別して採用しています。
同志社大学と関西大学を明らかに区別して採用しています。
メガバンクは採用面で保守的な会社の代表としても、「有名400社」の中のトップ企業は、旧七帝大+早慶+東工+一橋+神戸大の学生を優先的に採用したがっています。
学生時代はわからなくても社会人になって超有名会社の人たちと交流すると、「大学ブランド」の凄さがわかってきます。
ただし会社(銀行)に入社してしまえば、大学名で差をつけられることは基本ありません。
花形部門に配属されるのと、非花形部門に配属されるのでは、その後の出世のスピードは全然違います。
どのような基準で、花形部門に配属するかは各社(各行)マチマチのような気がします。
ともかく、上記のようにメガバンクの採用大学を見ると、メガバンクの本音が見えてきます。
MARCHや関関同立の大学の採用数からメガバンクの「いやらしさ」が理解できます。
なんて「いやらしくて」「素直」な採用をしているのだろう。
余談ですが、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の社長は、岸田首相の側近、木原副長官のお兄さんです。想像ですが銀行内で週刊文春をあからさまに読めないのではないでしょうか。
津田塾、学習院、関西大学の凋落対策は?
東洋経済の「有名企業400社」への就職率は理系大学が有利です。
文系大学は不利な傾向にあります。
よって、凋落に歯止めをかけるには理系の学生を増やす。
理系の学部を増やす方法があります。
それでも10年単位で、コツコツと地位を上げていくことになるでしょう。
「理系学部拡充へ文科省が118校支援、62校が学部・学科新設…デジタル人材の育成後押し」の見出しの読売新聞の記事
文部科学省は21日、3000億円の基金を活用して大学の理工農系分野を拡充する支援事業に、国公私立の大学・高専延べ118校を選んだと発表した。公立と私立大の計62校が理系の学部や学科を新設する計画で、大学の理系転換への動きが一気に加速しそうだ。
下記はユーチューブ「山内太地の大学イノベーション研究所」の画面の写真
難関私立大学の理系学部や学科設置について解説している画面です。
青山学院、中央大学、立教大学、関西大学が新しく設置
健康スポーツや農業系や環境学部の新設が、どのぐらい就職率UPに効果があるかはわかりません。
関西大学は動いていることがわかります。
津田塾大学、学習院大学、法政大学は動いていません。
毎日新聞の記事
お茶の水女子大は2024年4月に「共創工学部」(仮称)を新設する。女子の理系分野への進学率の低さが指摘される中、奈良女子大が22年4月に工学部を開設したのに続き、東西の国立女子大学に工学系学部が誕生することになる。
(中略)
文系のイメージの強い私立大学が理系学部を新設する動きが目立っている。明治学院大には24年4月、同大初の理系学部となる情報数理学部(設置認可申請中)が開設される。同大は「情報数理学部と既存の学部・組織との有機的な連携を目指す」としている。また、麗澤大は24年4月、工学部(設置認可申請中)を設置する。24年4月に新設される経営学部(設置届け出中)と合わせて、5学部体制となり、「文理融合の総合大学へと発展する」としている。
10年後、20年後の津田塾大学とお茶の水大学、奈良女子大学の格差は開いていくのか興味があります。
お茶の水大学、奈良女子大学も関西大学同様に動いています。
ちなみに、奈良女子大学は関西の人でないと凄さがわかりませんが、東のお茶の水大、西の奈良女子大と呼ばれている名門女子国立大学です。
まとめ
正直な話、自分の母校のランク付けに一喜一憂しても仕方ありません。
要は、自分が会社で活躍できるか、会社に貢献できる人間なのかの方が、重要です。
「有名企業400社」に選ばれているであろう会社でも、入社したくない会社があります。
有力企業400社=(イコール)ホワイト企業ではない以上、有名400社の就職率にこだわる必要はないのかもしれません。
例えば、大学のキャリアセンター(就職課)が、ホワイト企業2000社程度に学生に入社させることを目指す。
結果、有名400社への就職率も高くなる。
就職関係の本で、大学のゼミ学生が「非鉄金属の上場会社」を誰も知らなかったことが書いてありました。
年収も高くホワイト企業も多くある業界です。
多くの大学生が多くの会社を知る機会を増やしていくことで、ホワイト企業への就職率も高めることができるでしょう。結果、ホワイト企業が多い有名400社のへの就職率も高まるはずです。
進学するなら、有名でホワイトな企業に有利な大学を勧めます。
就職するなら、ホワイト企業の多くある業界や企業研究を早くから始めることを勧めます。
津田塾、学習院、関西大学の凋落と書きました。
関西大学は理系学部、学科新設に動いています。
効果が現れるのは先でしょう。
「就職の明治」のようにイメージをつくることができれば、学校が一体となって就職に強い大学というベクトルを合わせることができそうです。
大学に入学してしまうと、特に文系の学部の学生は、就職することなど忘れてしまい遊んでしまいます。
大学生活を有意義に過ごせるように指導できれば、結果、良い会社に入社できるはずです。
津田梅子さんが5000円札の顔(肖像画)になります。
数十年後、津田塾大学がお茶の水大学、奈良女子大学に、引き離されてしまい、「なぜか5000円札の肖像画が濡れているんだよね」などの会話が、でないことを、祈っています。
母校の大学の400社就職率を知るだけでなく、これから大学を受験する人や付属校の受験を考えている親御さんにも役立つ本です。
2024年版は、どうなることでしょう。
津田塾大学が法政大学に抜かれてしまうのか
学習院大学が関西大学に抜かれてしまうのか
関西大学は立命館大学との差を縮めることができるのか
学習院大学は、また法政大学に追いつくことができるのか