松本清張の本「黒い画集」の表紙の写真

【芦田愛菜の事件簿】短編推理小説なら松本清張の「黒い画集」を読め

長い推理小説を読むのはシンドイ。
もし短編推理小説を読むなら松本清張の「黒い画集」を読んでほしい。

正確には、黒い画集の「遭難」を読んでもらいたい。
どんな内容なのかを書いていきます。
「ネタバレ」満載なので、読む場合は注意してください。

あくまで松本清張の短編「遭難」がどんな内容かを知らせるために、実在しない人物を登場させて説明していきます。
もし、実在する人物と同姓同名だったとしても、その人物とは全く関係ありません。
くどいようですが「架空な人物」ですし、内容も「架空」です。

ネタバレになりますが物語を見ていきましょう。

唐沢寿明さんと木村拓哉さんが山に行き遭難した。
残念ながら木村拓哉さんは、帰らぬ人となってしまった。

唐沢寿明さんは山登りのベテラン
木村拓哉さんは山登に興味を持ち始めた程度の初心者だった。

その遭難に疑問を持つ人物がいた。
芦田愛菜さんだ。
かつて木村拓哉さんと芦田愛菜さんは「Tワーク」というCMで共演したことがあった。

なぜ疑問に思ったのか?
山(鹿島槍)に行ったのは、唐沢寿明さんと木村拓哉さんの他に岸田翔太郎さん(超初心者)がいた。

芦田愛菜さんと岸田翔太郎さんは同じK大学の法学部ということもあって面識があった。
(以下、敬称略します)

岸田翔太郎が言うには、夜行電車で行ったのだが、車中、ガンガンにアルコール度の高い「テキーラ」を3人で飲んでいた。
翔太郎がトイレで目を覚ました時には、木村は起きていた。

木村は何か思い詰めているようだった。
その時は何も思わなかったが、今思うと不自然だった。

登山開始

登山の時、木村は元気がなかったそうだ。
唐沢と翔太郎が木村に話かけても木村は「あ~」しか言わなかった。

参考記事

草彅剛さんと木村拓哉さんの再会、そしてキムタクの「あ~」3回物語

【草彅剛の性格を知る】キムタクとの再会そしてキムタクの家庭環境

木村は水をガブガブと飲んでいた。
唐沢は自分の水筒の水も飲ませていたし、木村の体を心配して、何度も休憩を取りながら、3人で登っていった。

翔太郎が言うには遭難は防げなかった事故だった。
芦田愛菜は言葉には言えないが、何か釈然としなかった。

何か仕組まれているような気がした。
そこで山登りのスペシャリストの草彅剛(敬称略します)に相談した。

飄々(ひょうひょう)とした口調で「怪しいところはないと思うけど、一度、唐沢寿明さんともう1度、同じルートで山を登ってみるよ」と言ってくれた。

「遭難場所で花を手向(たむ)けたい」と草彅。
唐沢も了承し、二人で山に入ることになった。

「木村君は、ここでたいそうな水を飲んだそうですね」
「そうでしたね。暑かったからね」

「それにしても水を飲みすぎるな」
草彅は続ける。
「木村君は、寝付かれなかったようで、まいっていたみたいですね」

唐沢は草彅の言葉に返事をしなかった。
そして唐沢と草彅はまた登り始めた。

飄々(ひょうひょう)とした草彅剛

「唐沢さん、リックをおろして、途中で何回も休みを取ると、かえって疲れるものですね」
「そうですね」

唐沢は思った。
飄々とした草彅を甘く見たら大変だ。
この男は真相に近づこうとしている。
岸田翔太郎から登山内容を全て聞き出し、遭難までの行動を確かめているんだ。

布引岳を越えた。
天気が良かった。

ふりかえると、越えたばかりの布引と爺岳の山稜が歪曲し、遠くに常念(じょうねん)、槍、穂高の連峰が光っていた。
松本盆地はガスが海のようにみなぎって沈んでいた。
「唐沢さん、木村君と登った時は、この展望は利(き)かなかったそうですね」

「そうです。曇ってましたからね。残念でしたよ」
「そうですか、ところでこの辺ですか、大町のサイレンが聞こえたというのは?」

「ええ、この辺だったと思います」
「それは東風(こち)だったんですね。だから聞こえたんでしょう。天気が崩れる前兆だったんですね」

唐沢はどきりとした。
草彅は相変わらず、飄々とした口調だが、草彅の言葉は、天気が崩れるのをわかっていたにもかかわらず、唐沢が無理に進んだということを非難している。

ネタバレ注意

このように物語は進んでいきます。
実は、夜行電車の中で唐沢は木村がドラマで自分の奥さんとキスをしたことを、なじっていました。
台本には、なかったにもかかわらず、その場のノリでキスしたことに対する抗議でした。
そのため、木村は寝付かれず、疲労を貯めてしまいました。

故意に遭難させたことを知った草彅。
そして、唐沢は草彅を無事、下界に帰す気はない。

唐沢の魔の手から逃れることはできるのか?
そして、クライマックスをむかえていきます。

松本清張の「黒い画集」
7編の短編が入っています。

アマゾンのレビュー 「遭難」について
遭難した時と同じルートをたどって鹿島槍に登り始めて後のスリリングな展開は松本清張一流のもの。遭難時の殺人トリックも巧妙極まりない。他のレビュアーさんも絶賛しておられたが、私もこの作品が大好きである。

松本清張の短編「遭難」の面白さを説明するため、架空な人物と架空な設定で話を書きました。
もし同姓同名の俳優及び秘書の方がいたとしても、その人物とは関係ないことをお断りいたします。