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【メルケル首相秘話】中国重視でやり手だったドイツのメルケル首相
ドイツのメルケル首相
日本のマスコミには評価が高い政治家です。
脱原発政策
日本の福島第一原子力発電所の事故(2011年3月)を受け「2022年までに国内17基すべての原発を閉鎖」という方針を示した。
この脱原発姿勢が日本のマスコミで支持されている要因かもしれません。
メルケル氏は首相在任中に、6回日本に訪問。
その内3回は、サミットで来日しています。
当時の安倍首相がメルケル氏に嫌味(いやみ)を言ったそうです。
「あなた(メルケル氏)、なかなか日本に来なかったですね」と
メルケル氏はこのように答えたそうです。
「日本は毎年、首相が変わるでしょう。だから、なかなか訪問する決断がつかなかったのよ」
「安倍内閣は、長く続くと思ったから、来日したの」
日本への訪問が3回+サミットの3回=6回
中国には12回訪問。
ドイツ経済のために、12回も中国に足を運んだのがメルケル首相でした。
安倍首相が言った「だから言ったでしょう」
ドイツ政府が迎賓館として利用しているのが「メーゼベルク城」
ベルリンの郊外にある城。
初めて招待された日本の首相が安倍首相になります。
安倍首相の代になって、ようやく迎賓館に呼ばれた。
今までの「日本の首相の扱い」が、わかります。
「メーゼベルク城」での首脳会談後の夕食会で、中国政府が世界中に作った「孔子学院」についてメルケル氏が愚痴(ぐち)をこぼした。
「孔子学院には人がいない。中国人がドイツ国内で工作活動をしているようだ。とんでもないことです」
かねてから「孔子学院」は対外世論工作の機関であると、安倍首相がサミットなどで何度も警告していた。
「だから言ったでしょう」と安倍氏はメルケル氏に言ったそうです。
タヌキ親父(おやじ)だったメルケル首相
女性なので親父(おやじ)ではありませんが、メルケル氏はタヌキ親父です。
安倍晋三氏がメルケル氏に聞いた。
「ドイツのエンジンメーカーは中国にディーゼルエンジンを売っていますよね」
「中国海軍は、ドイツ製のエンジンを駆逐艦や潜水艦に搭載している。これは、いったいどういうわけですか?」
メルケル氏は
「え、そうなの?」と言って、後方に控えている官僚の方を向いて聞いた。
でも、官僚は誰も答えない。
安倍晋三氏曰く
「メルケル氏が知らないわけがない。知らないフリをしていただけ」
「メルケル氏は、閣僚経験も豊富で、国際会議や交渉の場数も踏んでいるだけあって、このような話では、動じませんでした」
「やり手でしたね」
と安倍晋三氏の感想。
後方に控えていた、ドイツの官僚たちが誰も答えなかったのは、言えなかったから。
ドイツが中国にエンジンを供給していたことではなく、
「メルケル首相、あなたもご存じでしょう。安倍氏の前で『とぼけて』私たちに振るようなことは止めてほしい」
このようには、メルケル首相に対して官僚からは言えないでしょう。
当然、無言になります。
メルケル氏は、ドイツ最初の女性首相であり、ドイツ国民が「ムテイ(お母さん)」と親しみを込めて呼んだ人物です。
安倍氏の見方が正しければ、ドイツ国民が「ムテイ(お母さん)」と思っていた姿は「まぼろし」の姿だったかもしれません。
日本では政治家に「誠実な人」を100%求める傾向にあります。
「ドイツのエンジンメーカーは中国にディーゼルエンジンを売っていますよね」と聞かれ、知っていても「とぼける」
このような腹芸ができなくては、国を任せられないのではないでしょうか。
ドイツの自動車メーカーのVW(フォルクスワーゲン)が中国でのシェアが高かったのもメルケル首相の役割が大きかったかもしれません。
日本人から見れば「たぬき親父」でも、ドイツ国民からしたら頼りになる「お母さん」だったのでしょう。
このブログ内容は、書籍「安倍晋三回顧録」を参考にしています。
写真はNHKのネット記事からのものです。