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大八木監督が涙を流した理由
駒澤大学の大八木弘明監督が涙ながらに告白した。
2022年、大八木監督は、山野主将、円副将、田沢の3名を自室に呼んだ。
「オレは今年で辞めるから、他の者たちには言わないように」と涙を流した。
2023年の箱根駅伝は駒澤大学が優勝。
優勝の会見で「私事なんですけれども、今年で監督を退きますのでよろしくお願いします。藤田(ヘッドコーチ)と代わります」
突然の発表に報道陣や駒大下級生たちは騒然となった。
大八木監督への辞職勧告騒動
2018年の7月に大八木監督は東京のホルモン焼き肉店に呼ばれた。
長谷部学長、元プロ野球選手の中畑清氏を含めた4名から「大八木監督が辞表を書けば学長が預かる」と辞職を促された。
週刊朝日がスクープした。
大八木監督は、大学内部監査室に対し、(大八木監督への)辞職勧告は「パワハラ」だと訴えた。
駒澤大学は、第三者委員会を設置して調査をした。
週刊朝日に対して、長谷部学長は「大八木監督が、大学に無断で十数年にわたり企業とスポンサー契約を結んだ。(相手側の会社で)数千万円の追徴課税を受けたことを問題視した」
学長が他にはありませんか?と尋ねたら「複数社とのアドバイザリー契約など大口のものがあり、監督が個人でいくら受け取ったのか聞いても弁護士をつけて拒否された」
調査をした第三者委員会の結論は、両者問題なし。
大八木監督は「本来なら大学に事前申請すべきだったが他でも同様な事例があり重大な就業違反とはいえない」
長谷部学長側についても「学長から(大八木監督への)パワハラはなかったと判断した」
駅伝監督を続けたからの3冠達成
2023年の箱根駅伝で優勝。
10月の出雲駅伝、11月の全日本駅伝、1月の箱根駅伝で優勝し3冠を達成した。
過去3冠を達成したのは4大学
1990年の大東文化大学
2000年の順天堂大学
2010年の早稲田大学
2016年の青山学院大学
そして
2022年の駒澤大学
(年度は出雲、全日本開催年)
2018年の7月のホルモン焼き肉店で辞職勧告を受けていたら、「大学に事前申請することなく、勝手にスポンサー企業からお金をもらっていた理由で事実上の解任」という汚名が着せられていたでしょう。
弁護士をつけ大学の内部監査室に訴えたからこその「重大な就業違反とはいえない」という第三者委員会の結論で監督を続けることができた。
2022年に大八木監督が山野主将、円副将、田沢の3名を自室に呼んで「オレは今年で辞めるから、他の者たちには言わないように」と涙を流した。
この辛かった体験が「涙を流した理由」にちがいありません。
大学側と戦ったからこその大学駅伝3冠達成の偉業につながりました。
瀬古さんの言葉で締めくくり
涙を流した「感動秘話」については、瀬古さんの言葉で締めくくりたいと思います。
箱根駅伝が終わった翌日の23年1月4日の「羽鳥慎一モーニングショー」に日本陸連副会長の瀬古利彦さんが出演。
話題は勇退を表明した大八木監督が2022年に3人の部員だけに辞める意思を伝え、口止めしていたことが紹介されました。
瀬古さん曰く「夏ごろからウワサを聞いていました」
「(3人だけでなく)他の選手もわかっていたと思いますよ」
「お前だけに言うけど、(他の部員には)言うなよ」
「よくある話でしょう」
コメンテーターから「言ってないと思いますよ」と3選手をかばう声。
それに対して瀬古さんは
「こんな大事なこと黙ってられないですよ。悪い話じゃないんですから、言ってもいいんですよ」
大八木さんが涙を流し3人の部員に打ち明けた「思い」が、瀬古さんにかかると笑い話となってしまう。
第99回箱根駅伝は駒澤大学が優勝しましたが、瀬古さんが大好きな早稲田大学が6位、早稲田OBの櫛部監督が率いる城西大学が9位の成績を残しました。両大学とも予選会からの出場でシード権を取りました。
早稲田大好き人間、瀬古利彦さんのテンションは上がっているはずです。
2024年正月の第100回記念箱根駅伝大会
大八木監督の運営管理車からの「男だろう」
この声は二度と聞くことはできません。
残念です。
しかし早稲田びいきの解説は聞けます。
早稲田が出場する第100回記念箱根駅伝大会、早稲田びいきの解説をぜひ聞かせてください。
箱根駅伝の残したい「風物詩」の一つです。