広澤克美が語った野村克也の蔵書量と財産

元プロ野球選手広澤克美が語った野村克也の蔵書量と財産

野村克也さんの家に行った時に、広澤克美さんが驚いたのは野村さんの蔵書の多さ。
野村克也さんは「自分は無知」だと言って読書を欠かさずにしていたそうです。
ジャンルは政治・経済・スポーツ・芸能と幅広い分野。

数学者の藤原正彦氏が大学時代のユダヤ人が言った言葉を紹介しています。
「長い迫害の歴史に中で、土地の所有さえ禁じられ、財産を没収されてきたから、奪われない知識を獲得しようとした。だから親は子供にボロを着せても一冊でも多くの本を与えようとする」

大人になったら自分が本を購入し、知識という財産を得なければなりません。
そのことを野村さんは、わかっていたのでしょう。

野村克也元監督との出会い

広澤克美さんが出会った頃は、野村克也さんも角が取れていたそうです。
厳しく怒った後、ノッシノッシと去っていく後ろ姿はユーモラスな感があった。
若い選手といっしょになって「親父(おやじ)がまた偉そうなこと言ってるよ」

広澤克美さんが言うには、野村さんは年齢を重ねて、突っ込まれるようなスキをわざと見せる術(すべ)を習得していったのではないか。
人間の器には「ゆとり」がないと人がついてきません。

1993年の日本シリーズの打撃練習中に、野村監督から不意に「四番がお前だ。チームの影響力が違うんだ」と励まされた。
発する人の大きなゆえ、発奮することができたという広澤さん。
「名将には、そういう人望が必要です」

野村克也さんが亡くなる前年の12月に一緒に食事をした。
その時に「お前には感謝をしているよ」とボヤキ節のあとに言われたのが嬉しかった。

その情と器の大きさで、私(広澤)に限らず、嶋基宏たち教え子が慕い、本塁打記録を塗り替えた村上宗隆にも語られる存在になったんだと思います。

以上の内容は文藝春秋23年1月号 101人の輝ける日本人から

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嶋基宏という財産を残す

嶋基宏さんは2006年ドラフト3巡目で指名を受けて楽天に入団。2013年には球団初の日本一に正捕手として貢献。
2020年からヤクルトでプレー、2022年は選手兼コーチ補佐としてヤクルトのリーグ連覇のチームを支えた。

嶋基宏さんも広澤克美さん同様、野村克也さんの教え子
嶋基宏さんは楽天時代に指導を受けた。
「捕手は頭がよくないとダメだ」という持論からコーチに正捕手候補の中学時代の通知票を取り寄せさせた。
嶋基宏さんが「オール5」だった。それでルーキーながら一軍起用を決めた。

嶋基宏さんは試合中に立ったまま厳しく野村さんから指導を受けた。
これが一番きつかったと限定できないほど(たくさんの)お叱りを受けた。
言われたことをノートに書き留めておき、それが大きな財産となったそうです。

普通の人間なら「人前で怒られた恨み」しか残らないかもしれない。
嶋基宏さんは、「怒られた内容」をノートに書き留め、それを財産にした。

野村克也さんの凄いところは優秀な人材を育成できている。しかも何人もの人材。
厳しく指導されているが指導を受けた選手は野村さんに感謝をしています。これも野村さんの人柄。

人という財産を何人も残した野村克也さん。

嶋基宏さんに関する内容はWeb Sportiveの内容を参考にしています。