徳川家康を総理大臣就任前に読みたかった野田元首相

総理就任前に読みたかった本が山岡荘八の書いた徳川家康

野田佳彦元首相は歴史小説や時代小説を読むのが好きなようです。
このように言っています「私は、万巻(ばんかん)の政治学テキストよりも時代小説から政治の要諦(ようてい)を学んできました」
司馬遼太郎の「夢と志」
藤沢周平の「凛(りん)とした佇(たたず)まい」
山本周五郎の「人情の機微(きび)」
池波正太郎の「粋(いき)」

「剛毅」「智謀」「堪忍」

山岡荘八の「徳川家康」を読み、徳川家康の「堪忍」に心を動かされた。
織田信長の「剛毅」
豊臣秀吉の「智謀」
「剛毅(ごうき)」「智謀(ちぼう)」の2つを兼ね備えている上に「堪忍(かんにん)」もあったのが徳川家康。

徳川家康は徳川家家訓の1つとして「堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え」
山岡荘八の小説を読んで「堪忍」が半端ではないことを改めて知ったそうです。

山岡荘八さんが存命だったなら「これほどまでに過酷な運命に耐えることができないと、乱世を終わらせ平和を創る天命にたどりつけなかったのか」と聞いてみたかったそうです。

総理大臣就任前に読みたかった本

野田元首相は内閣総理大臣就任前に、「徳川家康」読んでおくべきだった。
「剛毅」と「智謀」そして「堪忍」が欠けていることを自覚しながら、今更ながらつくづく思っている。


このブログは文藝春秋23年1月号 「101人の輝ける日本人」野田佳彦氏の書いた内容をもとにしています。画像は久能山東照宮(静岡県)のHPから

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時代小説から学んだ政治家だから立派な政治家

野田元首相は「時代小説」から「政治の要諦」(=物事の最も大切なこと)を学んできたところが面白い。それが野田元首相の行動に表れているようです。

2022年安倍晋三元首相が暗殺されました。
衆議院本会議で安倍晋三元首相の追悼演説を行ったのが野田佳彦元首相でした。
国葬反対の世論があるなか、また国葬に参加しない野党議員がいるなか、野党である立憲民主党の野田元首相が追悼演説をしたことに頭が下がります。

この追悼演説で野田佳彦元首相の人となりがわかったと思います。

もう1つあります。
東日本大震災での東京電力福島第一原子力発電所事故後に、当時の野田総理大臣は福島第一原子力発電所に訪問して、事故対応に当たる作業員や自衛隊に対して激励しています。

当時のマスコミや政府(野田元首相前)が東京電力叩き(たたき)をしているなか、第一線で作業にあたっている作業員と自衛隊の人へ感謝の言葉をのべています。
野田氏以外の人が総理だったら東京電力叩き(たたき)を続けていたかもしれません。
事故発生後も現場に残った作業員への激励など思いつかないでしょう。
そうような発想がないマスコミも多かったに違いありません。

野田佳彦さんのような野党議員が多くいれば、政権交代ができる日本になるかもしれません。

時代小説から政治の要諦(ようてい)を学んできた政治家はこう言いました。

安倍さん、あなたには謝らなければならないことがあります。
それは平成24年暮れの選挙戦で私が大阪の寝屋川で遊説をしていた際の出来事です。

「総理大臣たるには胆力が必要だ。途中でお腹が痛くなってはダメだ」
私は、あろうことか高揚した気持ちの勢いに任せるまま、聴衆の前でそんな言葉を口走ってしまいました。
他人の身体的な特徴や病を抱えている苦しさを揶揄(やゆ)することは許されません。
語るも恥ずかしい大失言です。

謝罪の機会を持てぬまま時が過ぎていったのは永遠の後悔です。
いま改めて天井のあなたに、深く、深く、お詫びを申しあげます。