飲料のタブ缶から安全や環境に配慮している生協(コープ)を知る。人生逆転

本当に安全や環境を考えているは生協(コープ)だけなのか

生協の安全や環境への取り組みは、
他の小売業(スーパーマーケット)やメーカーと
大きな差があります。

SDGs(エスディージーズ)という言葉を聞いたことがありますか?

SDGs(持続可能な開発目標)とは
2030年までに達成すべき17の目標

つまり
将来の世代のために、環境を壊さず、今の生活をより良い状態にする目標
今は
大手企業はどこも
SDGs(エスディージーズ)を合言葉にしています。

 

今は

環境を重視しないと

企業は生き残れない時代になってきました。

将来にわたり
企業活動を行っていくには
環境重視の姿勢で営業活動を行う
必要が出てきました。

若い人は知らないと思いますが
少し前まで
缶の蓋(ふた)を開けるタブ(つまみ部分)は
缶から外れるタイプのものでした。

缶コーヒーを購入
飲み口は、タブ(つまみ)を引っ張り開けますが
タブ(つまみに部分)は缶から切り離されるため
多くの人は「そのままポイ」でした。

全ての缶が
「はずれる」タイプの缶でした。

今はタブが取れないタイプ(ステイオンタブ缶と言います)の缶になっています。

昔は自動販売機の周りには

多くのダブが捨ててあった記憶があります。

日本で最初に「タブが取れない缶」を量産したのが生協です

缶から切り離された「タブ」の多くは捨てられていました。

邪魔なものですから捨てられ、川や海などで手足にケガをするといった問題。

牧場地では動物たちが足をケガしたり、

川や海では「光るタブ」を魚だと思って飲み込んでしまう問題が多く発生しました。

生協の元職員、矢野都紀子さん(元日本生協連職員)の活躍が始まります。

矢野都紀子さんの逆転人生の始まりです(NHK風にいきます)

矢野都紀子さんは、ゴミの出ないステイオンタブ缶を他社の先駆け作りたい思い、日本生協連内部で訴えたものの、当初は生協も動きませんでした。
直接、製缶メーカーの人と話し合いましたが「できない理由」を言われました。

できない理由は

ステイオンタイプ缶は蓋(ふた)になる部分が缶の中に入るため、
「衛生面で問題」があること。

プルタブ缶より開けるために「力が必要なこと」。

「コストアップ」になること。

「行政も動いていない」こと。

普通ならここで「ギブアップ」すると思います。

矢野都紀子さんは諦めませんでした。

アメリカが「どうなっているのか」知りたくなり
生協の上司に「アメリカに出張したい」と訴えました。
アメリカへの出張が認められ
サンフランシスコで現地調査を行いました。

アメリカではステイオンタブ缶以外の缶の販売を禁止している州が31州もあった

アメリカの31州は
環境問題の見地から「タブと本体が完全に切り離されるタイプの缶」の販売を
行政指導で禁止していました。

矢野都紀子さんは
訪問したアメリカで
日本のビールがステイオンタブ缶で販売されていることを
目の当たりにし

絶対にコープ商品のステイオンタブ缶を国産第1号にするのだと決心しました

ステイオンタブ缶の国産第1号は「コープ商品」で販売すると決意

でも、帰国後も商品化の目処(めど)が立ちませんでした。

NHKの「逆転人生」のようです。まだ商品化が実現しません。

ここでも
矢野都紀子さんは諦めませんでした。

矢野都紀子さんは

民間の研究所が募集していた「商品研究大賞」に応募しました。
大賞は逃しましたが
優秀賞に選ばれたことにより
マスコミの注目を浴び大きく報道されることになりました。
大賞よりも矢野都紀子さんの方(優秀賞)が大きく報道されたそうです。

 

この論文の受賞で
新聞にたくさん取り上げられたことで
日本生協連での「ステイオンタブ缶」の商品化の話が
一気に進んだそうです。

矢野都紀子さんの「逆転人生」も最後の方になってきました。

司会者 山里亮太(南海キャンディーズ)の締めくくり場面になりました。

1990年2月21日、国産第1号となるステイオンタブ缶3商品が発売

国産初のステイオンタブ缶3商品が発売となりました。

やっと
矢野都紀子さん(元日本生協連職員)の執念が
「タブの取れない缶」の発売につながりました。

なぜ矢野都紀子さんは「あきらめなかったのか?」

矢野都紀子さんは
コープ商品を通じて社会の役に立ちたいと考えていたそうです。
この気持ちが「ステイオンタブ缶」の商品化につながった
ように思えます。

 

環境に良いことが誰でもわかるのに
生協でも商品化に時間がかかりました。
矢野都紀子さんがいなければ
実現するのはもっと後だったでしょう。

だた
生協でなければ実現しなかったでしょう。
他のスーパーのPB(プライベートブランド)では
実現することはなかったと思います。

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矢野都紀子(元日本生協連職員)

訪問したアメリカで
日本のビールがステイオンタブ缶で販売されていることを知りました。
なのに
日本のビールメーカーは
日本では「ステイオンタブ缶」を販売していなかった。

 

日本の缶メーカーも
ステイオンタブ缶を「販売できない理由」だけ羅列して
全く動こうとしなかった。

 

でも、缶メーカーやビールメーカーを責めることはできません。

アメリカのように州政府が行政指導しているわけでもなく、民間企業が労力と金をかけて環境のため「ステイオンタブ缶」に切り替えることはありません。

SDGs(エスディージーズ)ありきの行動ではなく、社会に貢献するには「何ができるか」の姿勢が大切です。

 

矢野都紀子(元日本生協連職員)さんから環境意識以外でも学ぶことができます。

 

矢野都紀子から学びたいこと

生協には在籍していましたが、個人で「今までなかった商品を世に出すこと」ができたこと。

絶対に「コープ商品を通じて社会に立ちたい気持ち」を持ち続けることができたこと。

決して諦めなかったこと。

生協(コープ)は小売業のようで、普通の小売業ではありません。

安全や環境が第一優先の組織です。

安全や環境に関して言えば、一歩も二歩も先に行っています。

生協(コープ)には「安全・安心そして環境第一優先の軸」をブレなく進んでいって

ほしいと思います。

 

「コープ商品のPB(プライベートブランド)を通じて社会の役の立つ」

第2、第3の矢野都紀子さんを輩出していってください。