朝ドラ「舞いあがれ!」の会社は組織としての体をなしていない

朝ドラ「舞いあがれ!」の会社は組織としての体(てい)をなしていない

岩倉浩太(高橋克典役)が築いてきた会社は、こんなにも脆弱(ぜいじゃく)な会社だったのかと驚きを禁じ得ません。
リーマンショックは、大企業も売上が激減し赤字に転落しました。
ですから、リーマンショックで会社IWAKURAが危機に陥ったことは仕方がなかったことといえます。

会社として人を育てず組織ができていなかった会社がIWAKURA。
お父さんの岩倉浩太(高橋克典役)だけで持っていた会社なんでしょう。

会社IWAKURAが組織としての体(てい)をなしていない点を3つ上げます。
1、後任の岩倉めぐみ(永作博美役)社長が経営を知らない点。
2、岩倉浩太前社長が人と組織を育てていなかった点
3、営業体制含めたその他も不備だらけの点

後任の岩倉めぐみ社長が経営を知らない

リーマンショックで倒産の危機にあった会社を立て直す戦略として「顧客の新規獲得」を岩倉めぐみ社長はあげました。
社長本人は銀行に提出する書類づくりに専念するため、営業活動は、従来の営業マンと娘の舞(福原遥役)の2名体制で行う方針としました。

あなたなら、この段階で「どのような行動」を取りますか?

会社IWAKURAの強みは「品質」です。
品質が高いネジを生産・供給できるのが会社IWAKURAの強みです。
岩倉浩太(高橋克典役)が亡くなり、供給に不安を抱いた顧客を既に失っています。

岩倉めぐみ現社長が既存の顧客を回り、供給体制が大丈夫なことを説明し、そして顧客とのパイプを太くしておくことが第一優先であり、すぐに実行しなければならないことです。社長一人ではなく品質保証担当の人間を同行させての顧客回りになります。
品質担当者を一人リストラさせています。

品質保証の人間は顧客と既にやり取りをしているはずです。
クレーム等で顧客に訪問又は電話等でコミュニケーションが取れています。
会社IWAKURAに技術の人間がいるのか不明ですが、技術担当の人間もいたら同行させる。

会社IWAKURAに不安を抱いてる従来からの大切なお客さんを安心させることが「最優先」にやるべきことなのです。

岩倉浩太が人と組織を育ててこなかった

岩倉めぐみ現社長は全員の前で方針を述べています。
それは会社の方向性を示すのが社長の役割なので、当然なことではありますが、これはいい。

なぜ幹部たちと相談して会社のことを決めないのか?
致命的です。
能力のある人が社長を継いだら、自分の考えた方向に会社を運営すればいいでしょう。

ほぼ素人で社長になっています。
それならば会社の幹部と相談して方向を決めなければなりません。

3人のリストラ候補を選んだこと。
新規顧客開拓を方針としたこと。

会社IWAKURAの幹部と詰める内容です。
岩倉浩太(高橋克典)が部長や課長を決めていなかったかもしれません。
部課長会議をした場面がありません。

会社は組織で動かないといけません。
昨日まで経営に素人ならば、謙虚に人から教わらなくてはなりません。
勝手に動くと周りが迷惑します。

「ちむどんどん」の比嘉家族のことを知らないのでしょうか。
自分たちが勝手に行動するすると、周りに「どんどん」迷惑をかけてしまう。
だから題名が、ちむ「どんどん」

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営業体制含めたその他も不備だらけ

岩倉めぐみ社長が、素人である娘の舞(福原遥)が新規獲得できると思っている。
経営センスゼロです。

営業マンの男(仕事ができない営業マン)と娘の岩倉舞を参加させて「営業会議」をしたのでしょうか?
会社の存続をかけた重要な経営の方針が「新規顧客獲得」です。
事前に内容を詰めることなく、従来どおりダラダラと仕事をさせている。
会社をよくしていこうという気持ちが感じられません。
この「新規獲得」の方針が上手くいかないなら倒産になるかもしれないのに、出来の悪い営業マンに委ねる経営センスのなさ。(ちなみに新規獲得方針は間違っています)

ここでリーマンショックについて簡単に説明します
リーマンショックは、100年に1度あるかどうかの大不況と当時言われました。

まったく需要がなくなりました。
管理人のマイカーを購入したクルマのディーラーは営業マンを全てリストラしました。
ディーラーで営業マンがいないって不思議ですが、整備工の人たちがフォローする体制にしていました。このような厳しい環境でした。
将来の展望が見えてこない「需要がない世界」でした。

大恐慌ともいえる(その時は皆思っていました)リーマンショックで、頼りになるのが既存のお客さんです。
営業の方針は「既存のお客さん」を無くさないことです。
既存のお客さんから、より多くの受注がもらえないかを頼んでみる。

社長の岩倉めぐみがお客さんのところに行かないから情報ももらえません。
情報とは新規案件含めた経営に役立つ情報のことです。

どこの会社も経営が厳しい。
そこで「雇用調整助成金」の話などを聞くことができたはずです。
あと、資金繰りの話なども聞けたはずです。

メイン銀行は1行だけではダメなことも学べたはずです。(この会社の取引銀行は信用金庫1行だけ)
他社は、この不況にどのような行動を取っているのかの情報ももらえたはず。

営業活動で言えば
何で1から飛び込み営業するの?
リーマンショック前に落とすべき会社を挙げて営業活動していなかった?
前の社長が、営業に関してPDCAを回していなかった。

需要がなくなっているこの時期に効率の悪い「飛び込み営業」はナンセンス。
リーマンショック前に狙っていた会社に行くべき。
受注が取れそうで取れなかった会社や以前に取引があった会社に行くべきです。
受注の可能性が高いです。

需要がないのだから工場を止めて「雇用調整助成金」をもらうために工場のシフトはどうするのか。
赤字から脱却できる「やるべきこと」がたくさんあります。
勝手に3名リストラしたら、もらえるお金(雇用調整助成金)がもらえなくなるでしょう。

賞与を下げて年収が下がれば、辞めていく人間が必ず出てきます。
3名ならリストラなしで自然減でいけたはずです。

会社IWAKURAは、途中で急に大きくしていったため、中途入社の人が多い。
中途入社の人は転職のハードルが低い人が多いので、年収が下がると辞めていく人が出てきます。

会社都合のリストラを会社の幹部と話すことなく断行したことが理解できません。
リストラした品質担当者を顧客担当に回し、経理担当者が辞めているため娘は管理の仕事をさせる。

会社IWAKURAを支えてきた古参の笠巻氏の意見を取り入れて経営していかないとダメでしょう。
会社の従業員全員に会社の内容を話す前に、会社の幹部の人と会議を行い、方向について了解を得ておく、それから従業員全員への説明です。

「ちむどんどん」のわがまま比嘉家族を見せられて、ストレスがたまった視聴者。
「舞いあがれ!」で、これ以上視聴者にストレスを与えないでほしい。

まとめ
朝ドラ「舞いあがれ!」の会社IWAKURAは組織としての体(てい)をなしていません。
岩倉めぐみ(永作博美)社長が経営を知らない。
岩倉浩太前社長が人と組織を育ててこなかった。
営業体制含めた組織その他がいい加減。

顧客の社長さん全員と会ってトップ同士のパイプを太くしていきましょう。
そこで役に立つ情報を取り入れていきましょう。また顧客の倒産確率も見極めていく。銀行への提出資料は娘岩倉舞に指示を出してやらせます。
最終段階で自分が添削していけばいい話です。

この状況で社長が顧客に行かないでどうするのですか?


古参の笠巻氏は悲し思いをしているはずです。
もう少し会社の方向性について相談してほしかったと。

写真はReal Soundから使用しています。